昨日、友人から不在着信があったので電話をかけ直した。
友人はソーマという名前で俺は中学生の頃から二十歳前後までよく遊んでいたのだが、二人とも地元を離れて暮らしているので、最近はめっきり会うこともなくなっていた。最後に会ったのは4、5年前だったと思う。
ソーマは報告があるとのことだったので、結婚でもするんかなぁと思って電話をかけたのだが、内容は喜ばしいことではなかった。
簡潔に報告の内容を書くと「親父が死んだから線香をあげに来てくれないか?」とのことだった。俺以外にも友人のフジたちにも連絡をしていると彼は話していた。
ソーマの親父は俺が高校の頃から透析をしていたので、腎臓が原因なのかと思って聞いてみたのだが、心臓にタンパク質が溜まる病気になったことが原因であった。入院してから2日後に亡くなったとソーマは話しており、急なことで動揺しているのか、口調が昔よりも早口に感じた。
数分の間ソーマと話して、落ち着いたら線香をあげに行くと約束をして電話を切った。本来ならば通夜に出るべきだと思うのだが、電話をかけた時には20時を回っており、俺は翌日も仕事だったので断念した。
電話を切ってからしばらく親が死ぬことについて考えた。
まったく意識していなかったのだが、親は基本的に子供よりも先に亡くなるものだ。俺にもその時は来る。当たり前のことなのに俺は忘れてしまっていた。
ソーマは父が亡くなってどんなことを思ったのだろう。悲しいのは当然のことだろうが、後悔という感情も心に浮かんできたのだろうか。
そのようなことをしばらくタバコを吸いながらぼんやりと考えていた。
そのうちソーマの親父に線香をあげに行こう。
では、またね。

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