2024/01/15

友人が家に遊びに来ており、なんだかんだとくだらない話をしていた。

そのうちに仕事の話となり、友人は俺に仕事を辞めるか悩んでいると打ち明けてきた。

友人は高卒ながらかなり待遇の良い会社で働いており、俺よりも200万円ほど高い給料を貰っているのだが、やはり高い給料を貰うには相応の苦労があるようだ。

仕事は専ら肉体労働でそれに加えて後輩の面倒を見たり、研修を開いたりなど、話を聞いていると大変そうであった。

彼は人柄が良く、面倒見も良いので、それを買われて出世コースに乗りつつあるという。

『いい話じゃん』と俺が言うと彼は『そんなことねーよ』と否定した。

日勤も夜勤もある仕事でただでさえ残業も多いのに、これ以上仕事に時間を取られたくないのだという。

かと言って、他にやりたい仕事があるわけでもなく『なんだかなぁ』という感じらしい。

そのような会社の愚痴をダラダラ酒を飲みながら聞いていると、いつの間にか職場の人間の話になった。

職場の人の話になると彼は上機嫌になり、会社のバカな後輩の話や仲の良い先輩の話などを楽しそうに話していた。

特に仲の良い先輩とは家も近くしょっちゅう遊んでいるそうであった。

彼は仕事は嫌いだが職場の人間は好きなんだろうな。

職場の人間関係が良好なら嫌な仕事もなんとなく長続きするもんだ。

結局、その日は帰り際に『いい人ばかりの職場を辞めるのはもったいないし、給料もいいんだから続けなよ』と俺が投げやりな説得をし、彼も『だなぁ』といい加減な返事をして解散となった。

ちなみにせっかくなので俺も何かしら愚痴を言おうと思ったのだが特に何も出てこず、その日は雑なカウンセラー役に徹して終わった。

また、なにかに悩んだら話くらいは雑なカウンセラーが聞こうじゃないか。

俺もそうだが、勤続年数が増えると給料と共に仕事量も責任も増える。

そして、自由な時間が少しずつ減っていく。

俺の周りの人間は皆少しずつ余裕がなくなっていっているような気がする。

俺も仕事が忙しくなると『トホホ…ホントは漫画家になりたかったのにな…』と思ってしまう。

皆きっと思い描いた理想の生活を送れてはいないのだ。

でも、その生活の中で少しでも自分の幸せを見つけられるといいよね。

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