2024/12/04

今日は先日のツーリングのことをつらつら書いていくよ。

この前はボーカルの家でのんびりしていたことを書いただけで終わってしまったからね。

さて、そんなこんなでボーカルの家でしばらく過ごしてから目的地へと出発。

今回のツーリングの目的は神社への参拝と友人のモナ王が見つけてくれた温泉に浸かるということのみである。

予定が少ないと気楽な気持ちでいられるので非常に良いね。

走り出した俺たちは地元の田舎道を抜け、家もまばらな山道へと向かって行く。

久しぶりに走る地元の田舎道はなんとも懐かしさを感じた。

すっかり俺は他の町の人間になってしまったようだ。

昔、俺たちが通学していた中学校の横を通り、しばらく進むといつの間にか県境を越えていた。

基本的にボーカルとはくだらない話ばかりを走行中にしており、大体は何を話したかを忘れているのだが、地元を走っている時は学生の頃の話をしていたような気がする。

違ったかな。

俺は中学の頃に仲の良かった友人は大体疎遠になっており、ボーカルも同様であった。

残ったのはこの日記にもたまに登場するフジと牡丹にニートのカメムシ、それとボーカルくらいだよ。

ま、過去の友人達に会おうという気は起きないがね。

今更会っても話すことがないからね。

思い出話と自慢話が待っているのが目に浮かぶよ。

成人式の時でさえ、自慢話ばかりでウンザリだったよ。

そんな話をしながら山道を抜けると再び田舎の道へ出た。

空は晴天で気温も暖かく、車もほとんど走っておらず、調子よく走っていく。

木々は紅葉し、遠くに見える山の山頂にはうっすらと雪が積もっており、非常に美しかった。

やはり自然はいいね。

『最高だ~』とはしゃぎながらバイクを進めていくと、なだらかな田舎道はみるみる人気のない山へと続いていき、グネグネと曲がりくねりつつも勾配が急な山道へと変わっていった。

ボーカルの愛車のセローはここぞとばかりに本領を発揮するが、俺のスクーターは曲がるのは苦手だし低排気量なのでパワーも出ず、山道を登っていくのが大変であった。

ノロノログズグズと地道に山道を登るといくつか民家があり、その先には目的地の神社が待っていた。

↑見なよ。このいい景色。

車に乗って見る景色とバイクに乗って見る景色は違うのだとボーカルは話していたのだが、確かにそうかもしれないな。

目的地の神社。

う~む。なんて良い神社なんだ。

以前の神社といいボーカルのチョイスする場所に外れナシだ。

いざ、参拝。

なぜか天井にシャンデリア。妙な感じだね。

和の中に洋が混ざっているからだろうか。

その後、遠くにある社務所へ行き、御朱印をゲット。

ボーカルは知り合いの宮司さんの話を御朱印を貰う時に社務所の方に話しているのだが、今回の方はその宮司さんの後輩?のようでびっくりした。

ちなみに俺はその界隈のことを何も知らないので、なにやら喋っているボーカルの横でヘラヘラしていた。

さて、御朱印を貰った後はその辺で飯を食うことに。

当たり前だが土地勘がないので、その辺をウロウロして空いている店に入ることにした。

しかし、全然空いている店がなく、適当に左折した道がそのままバイパスに繋がっており、ナビもセットしていないまま、わけのわからん道を進んでいった。

ギョワーッ!!

そのうちに蕎麦屋を発見。

しかし、反対車線側に店舗があり、紆余曲折して反対車線に行ったものの店舗を通り過ぎていしまい、その先で左折しようとした道路は未完成という珍事に見舞われた。

とりあえず、飯より先にガソリンを給油したいというボーカルに付き添いスタンドへ。

俺はチョロッとガソリンを入れ給油完了。しかし、ボーカルがモタモタ給油をしており、後ろで待っていた車にものすごい圧をかけられていた。

その後、行き当たりばったりで細い農道を進むと左右に分かれ道。

直感を信じて左に進んでいくと運よく蕎麦屋の横に出た。

やったね。

俺が注文したのはなめこソバという変なソバ。

しかし、これがうまい。また食べたいね、コレ。

ソバを食べて空腹が満たされた俺たちはすぐに温泉に向かうと思いきや、駐車場でグダグダと最近見た映画の話などをしてなかなか出発しなかった。

傍から見ればインカムを繋いでいるのだからバイクに乗りながら話せよという感じである。

しかし、このテキトーさが心地よいね。

月に何度もバンドで活動をしていた頃も、メンバーが全員テキトーで同じような心地よさがあったな。

さて、次に向かうのは温泉。

時刻は昼過ぎで着こんでいればほどよく暖かいくらいの気温であった。

しばらくバイパスを走り、田舎道へ。

目の前には黄色ナンバーの謎のバイクが走っており、なんだあのバイクは?と、後ろを走りながら眺めていると、前のライダーも俺たちの事をミラー越しにチラチラと見ていた。

1台でのんびり走っている時に後ろからツーリングをしているバイクが来ると妙に気まずいよね。

そのバイクは後ろから来た俺たちに道を譲ってくれようとしているのか、道路の左隅をずっと走っていたのだが、その先には地元のジジイが乗っているであろう超低速運転の軽自動車がノタクタ走っていたため、俺たちは追い抜かさなかった。

そもそも、俺らのバイクもノロノロ走っているので、前に車がいなくても追い抜かしたりはしないと思うが。

先頭を走るボーカル次第だがね。

しばらくそのまま走っていると低速ジジイは下り坂を右折して住宅へと入っていった。

その際、あまりにもスピードが出ていないので、一切ブレーキを使っていないようであった。

スゲーな。さすが田舎。

車がいなくなり、前を走っていたバイクはいつまで経っても抜かしていかない俺たちを引き離すように加速して、黄色が赤に変わる直前の信号を駆け抜けていった。

横を見るとコンビニがあったのでちょいと寄ってトイレで小便をジョボボ。

ついでに店内を物色しているとゆるキャン△というアニメにカードがオマケでついているウエハースが売っていたので購入。

ちなみに俺はゆるキャン△をよく知らないので、数話アニメを見たというボーカルにキャラクターの話を聞いた。

誰が出るかな?俺は下段の女の子のキャラを狙うぞ。

いざ、開封。

俺が開封したウエハースにはよくわからんジジイが封入されていた。

誰だよ。

カードをボーカルにあげて再び出発。

走りながらボーカルといつかバイクでキャンプに行けたらいいなと話していた。

今年は休日に生活圏の外に出る用事がバイク、釣り、キャンプ、旅行くらいだったような気がする。

すっかり俺もジジイだな。

俺もゆるキャンしていいんですかね。

しばらく走り続け、温泉へ到着。

温泉の入浴料は600円とリーズナブルであった。

しかし、その値段とは裏腹に非常に良い温泉であった。

露天風呂から遠くの山々まで見渡すことができ、近くの山の表面は紅葉により赤に染まっていた。

遥か奥には俺たちの地元の山が見えると露天風呂の張り紙に書かれていたのだが、知識がないゆえに全て同じ山に見えた。

露天風呂は手前と奥とで二つ湯舟?があり、奥の見晴らしのよい風呂は先客が入っていたので、まずは手前からチャプリ。

うむ。いい温度。疲れが取れそうだよ。

横を見るとボーカルが風呂の中心にあった湯の調整穴を塞いで遊んでいた。

『コレ、塞いだらお湯が外まで溢れるぞ』と話すボーカル。

ワァ!アホ。

すごいよね。こんなんでも元教員なんだよ、この人。

ちなみに風呂のサイズとその穴のサイズを考えると、湯が溢れるには相当の時間がかかるように思えた。

そんな低能なことをしているうちに、奥の湯に浸かっていた人たちが上がったので、その風呂へと移動。

移動する前に俺もその穴を塞いだり、逆に穴に湯をザブザブ送り込んだりしたよ。

しょうもないことでも友人がやっていると楽しそうに見えるものだからね。

奥の風呂は見晴らしがよくて見える景色は雄大であった。

少しずつ日が傾いてきており、街灯もないような峠道を越えてきた俺たちにとって夜道は危険そのものなので、日が落ちるまでには帰路につこうという話にまとまった。

その後、ボーカルの教員時代の話を聞いたり、俺の昔の話をしたりしていると、すっかり夕方の空になっていたので、慌てて風呂から出ることにした。

風呂上りには黒酢のジュースを飲んで一休み。

休んでばっかだな。早くバイクに乗れよ。

実家の家族のお土産にお菓子を買って、外に出ると普通に暗くなっていた。

山の夕暮は早いな。

街灯のない峠まではそれなりに距離があったので、もう諦めてタバコを吸ってチンタラ準備を始める。

俺の隣には別のスクーターが停まっており、そのライダーも帰宅の準備をしていたので、その人が走り出すまで待ってから出発。

一緒に出ると気まずいからね。

山を下っている途中で完全に日は暮れて、ツーリング恒例の修行タイムが始まった。

山道は真っ暗でよく見えないし、気温がガクッと下がって寒い。

景色も見えないし、体もくたびれている。

楽しいことなどほんのわずかな修行タイム。

ボーカルはしょぼいわけのわからん手袋を使っていたので、始終『手が寒い』と繰り返すだけの「手が寒いbot」になり、俺は運転に慎重になるあまり口数が減り、簡易的な返事をするだけのペッパー君となっていた。

大きなカーブを曲がり終えるたびにボーカルは現場の人間のように『ヨーシッ!』と気合を入れ、それに続いて俺も『ヨシ』と呟く。

ボーカルは疲れてくると勝手に気合を入れ始めるのだ。

そんな気合により難所であった峠道を抜けると、その先にはなだらかな道路。

視界に入る山は真っ黒の塊で、紺色の空の中にはいくつかの星がとても輝いて見えた。

星がとても輝いて見えたのは街灯などの灯りがないからなのか、はたまた山の空気が澄んでいるからなのか、その理由はわからないがとにかく綺麗だった。

暗闇の中を走り続け、県境を越えて地元へと近づいていく。

山を抜けてたどり着いた先は小さな町。

その町は街灯が全て橙色で道沿いの古びた民家や建物は橙色に照らされ、遠くの建物にはチラホラと明かりが灯っているような町で、なんとも言えぬ趣のようなものを感じた。

ボーカルも同じようなことを話していた。

輝く星々と橙色に染まった町を見れたこと。これは修行タイムの中にある小さな喜びである。

その町から走り続けて数十分で俺の実家へと到着。

妹に熱いコーヒーを入れてもらって一休み。

これにて俺たちの旅は終了。

旅を終えた後は二度とバイクになど乗りたくない気分になるが、不思議と今はまたボーカルと寒空の下を走りたい気分になっている。

俺の周りで冬にバイクに乗って喜んでいるヤツが沢山いたのは、車の免許を取れないような年齢の頃で、年月で書けば10年ほど前の話になる。

現在も寒さに震えながら走っている友人はボーカルのみ。

きっと俺たちは10年前に出来なかったことを今になって取り戻しているのだ。と、ボーカルは話していた。

きっと、それは正解だろうな。

俺たちは取り返しのつかないように思えることも、なんとかまだ取り戻せる気がする。

ギリギリ若さが残っているのだろうな。

この若さが残っているうちはどこにでも行けるような気がするよ。

さて、旅の記録はこれで終わり。

では、またね。

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