2024/11/22

バンドのボーカルとツーリングに行く予定のため、バイクに乗っかり早朝に家を出た。

今日は遠くの道の駅のようなところにある温泉に入ってから付近の神社に参拝に行くという計画である。

自宅から1時間ほど走り、集合場所の駅に到着した。

既にボーカルは到着して俺を待っており、近くのコンビニでタバコを吸ってインカムを接続するために移動。

なんだかんだと喋りながらインカムを接続し、目的地の道の駅へと出発。

ボーカルはヤマハのセローというオフロードバイクに乗っているのだが、このバイクは加速がものすごく早いな。

ボーカルを先頭に田舎の山道を走っていく。

遠くに見える山はちらほら紅葉が始まっており、走っていて気持ちがよかった。

うむうむ。いいもんだなぁ。

気温もほどよく最高だ。

俺がボーカルに『転ばんようにね』と話すと『そっちもね』と返ってきた。

大丈夫。俺はスクーターでギアチェンジもないし、今まで一度も転んだことがないからな。

2時間ほど走り、目的地の道の駅へと到着。

右はボーカルのセロー。タイヤがデケー!!

左は俺のマジェスティSというスクーター。快適性を求めて色々と後付けでパーツをつけているので、純正のものよりもでっぷりとしている。

道の駅。

さっそく喫煙所で一服した後、温泉へGO。

温泉の湯はほどよい熱さでかなり長い時間浸かっていた。

うわ~い。これはいいぞ。

タオルを忘れたため、ボーカルに貸してもらったのだが、ボーカルは俺が忘れてくることを見越して、2枚持ってきたという。

さすがだ。

俺は人の忘れ物をこの日記でとやかく言うくせに、自分もしっかり忘れ物をするからな。

ご愛嬌。ご愛嬌。

温泉から上がった後は昼食を取るために、食堂のようなところへ。

この道の駅は周囲を散策できるようなコースが整備されており、のどかな雰囲気で歩いていると心地よかった。

昼飯はラーメン。ボーカルはみそかつ丼を食っていた。

昼を過ぎて少し降り出した雨のせいで気温が下がっており、歩いているうちに体が冷えてきていたので、暖かいラーメンは非常にうまかった。

俺はどこかに行くたびに大体何かしらのひとつお土産を買うのだが、今回の道の駅でのお土産はご当地のソースにした。

道の駅を堪能した後は神社に向かうために、駐車場で出発の準備をしていたのだが、ここでひとつあることに気がついた。

それはボーカルのバイクのグリップの色がダサすぎないか?ということである。

なんなんだこのキン消しみたいな色は。

俺は人のバイクを悪く言うことはほとんどないのだが、これだけは言わせてもらおう。

ボーカル曰く、中古で購入時からこのグリップであったため、経年劣化でこんな色になったのではないかという話であった。

ま、いいのだけどね。どうみてもその色はキン消しだけど。

グリップが汚れたらキン消しを溶かしてくっつければいいしな。

さて、そんなくだらない話をしつつ神社へと出発。

付近といえども20数キロ先だったので、そこそこの距離である。

ボーカルは最近御朱印を集めているそうで、参拝ついでにそこでも御朱印を貰うと話していた。

いくつかの山を越えて目的地の神社へと到着。

おお!スゲー迫力。

美しい。

紅葉も綺麗でなんだか感動してしまったよ。

カメラが趣味である友人の造園屋がいれば、きっとすごい写真を撮るだろうな。

とにかく美しい神社であった。

うん。改めて見てみてもいいな。

長い階段を登り、いざ参拝。

階段を登りながら、御朱印を貰う意味や正しい参拝の方法を教えてもらった。

めちゃくちゃご利益がありそうな気がする。

参拝を終えるとボーカルは御朱印を貰いに社務所へ。

俺はその後ろをウロチョロしながら、御朱印帳を買うか迷っていた。

よし、せっかくだから俺も御朱印を貰おう。

そういうわけで御朱印帳とそれを入れる袋を購入し、おじさんに一筆書いてもらった。

写真を載せるか迷ったのだが、やめておいた方がいいかもな。

俺は昔から神社の雰囲気が好きだったので、参拝ついでに御朱印を貰うというのはいいな。

特に田舎の神社は自然を感じられていいもんだな。

また他の神社にも行きたいね。

神社をのんびり眺めて時刻は16時に。

帰り道はいくつかルートがあったのだが、今日はボーカルと俺の地元を経由して自宅に戻ることにした。

地元までは結構な距離があったのだが、走っているうちに日が暮れて雨が降り出したせいで気温がさらに下がり、ツーリング恒例の帰りは修行コースに突入した。

指先は冷えて動きが鈍くなり、ボーカルはバイクがエンストしてあたふたしていた。

ワッハッハ。ATのスクーターはこういう時に楽だからいいぞ。

座ってアクセルをひねってりゃいいんだからね。

ブンブブン。

何時間か走り、いくつもの山を越えて俺たちの地元らへんに到達。

道中の山道は街灯が一つもなく、完全な暗闇で運転にかなり気を使った。

今度免許を取るという話をしている友人の柊だったら、慣れていないので転んで闇に消えていたかもしれんなとボーカルと話していた。

しかし、気を使う反面、山道は車もほとんど走っていなかったので、走っていて面白かった。

昔からあるラーメン屋で夕食。

ラーメンで冷え切った体が温まる。

これにて俺たちの旅はほぼ終了。お疲れ様だったね。

とても良い一日だったよ。

ガソリンが減っていたので、最後にガソリンスタンドへ。

そして、楽しい旅のラストで事件は起こる。

スタンドにて駐車する際に俺のスクーターは転倒した。

ギョギョギョギョーッ!!!

ギエーッ!!

ちょっとした傾斜におっとっと。

普段ならサッと戻せる体勢も疲れのせいか、あれよあれよとスクーターは地面にお寝んね。

そこに布団はねぇぞ!!

周囲に割れたプラスチック片が散乱し、何故か倒れた反対に付けていたグリップカバーがどっかに飛んでいった。

そして、倒れた方向と反対の左のミラーは緩くなり、スマホはその辺に転がって背面が割れていた。

ヤベーッ!!とスクーターを起こすと、慌ててボーカルが駆け寄ってきて、散らかった破片を拾い集めてくれた。

焦りながらカウルが逝ってしまったのではないかとスクーターを確認すると、割れてたのは後でつけたサイドバイザーという足に吹き付ける風を避けるためのパーツだったので、倒れた割には被害は少なかった。

エンジンもかかるし、サイドバイザー以外は車体にちょろっと擦り傷が付いていただけだったのでよかった。

いや、よくはないがね。

多分、ギリギリまで踏ん張ってからゆっくり倒れたのと、バイザーの出っ張りから着地してその他へのダメージが緩和されたのだろうな。

すったもんだして給油を終えると、ガソリンスタンドのスタッフさんが『どうしました?』と寄ってきた。

事情を説明すると、その人もバイクに乗る人のようで謎の励ましを受けた。

ありがとうおじさん。

その後、割れた破片を少しだけでもバイザーにくっつけてから帰ろうと思い、実家に寄ると父と妹が出てきて大爆笑された。

そのまま妹のビーリアルというアプリで晒し者にされたよ。なんて妹だ。

しかし、こんな扱いやすい車体を転がしてしまうとはな。

調子に乗っているとこういう目にあうということだ。反省反省。

車庫で父と妹、ボーカルの3人で細かい破片を繋ぎ合わせていく(主に父が)

妹は『私もやる』となにやら意気込んでいたが、余計なことをするので父に『いらんことすな!!』とあしらわれていた。

俺はそれを眺めながらくだらんことを延々と喋っていた。

俺のスクーターなのに俺が一番仕事をしていないのである。困ったもんだね。

ボーカルと父と妹は初対面なのだが、普通にボーカルは昔からの知り合いのように話していて、持ち前のコミュ力のすごさを改めて感じたよ。

やっぱりスゲーわ。

ボーカルは色んな人と勝手に喋ってくれているので、俺は一緒にいるとそのコミュ力のおかげで楽させてもらっている。

今日も社務所の人と盛り上がってくれていたおかげで、俺は『アハハ~』と言っているだけで、一ミリも頭を使わずに楽しく過ごすことができた。

父と妹も俺がよくボーカルの話をしており、その素性を知っているので楽しそうに話していた。

↑3人で撮った写真。もう家族やんけ。

父がボーカルに『今度梅マシと一緒に飯食いに来な』とのようなことを話していてめっちゃビックリしたよ。

さて、父のすんごい働きとテープを切るロボットになっていた妹により修理は完了。

すごいぞ!元の形状に戻っているではないか!!

修理されたサイドバイザーを見て、俺が『たいしたもんだ』と言うと、父と妹に『なんで他人事やねん』とツッコミを入れられた。

このバイザーは元々半透明のものを俺が黒色に塗装して使っていたので、暇な時にまた塗装して継続して使用してもいいなと思った。

父や妹、ボーカルが俺の為に色々と動いてくれたのが嬉しかったんだよね。

そんな気持ちがあるので、皆が修理してくれたものを新しいものに変えてしまうのは惜しいなと感じているのだ。

大切にしていたお気に入りのスクーターを転倒させてしまい、車体には傷がついて、俺の心にも傷がつくかと思ったのだが、友人や家族の優しさを改めて感じることができて、逆に俺の心は温まっている。

遅くに急に訪ねてきたのに嫌な顔ひとつせず、修理をしてくれた父と妹。

散らかった破片を残さず拾ってくれたボーカル。

ありがとう。

そんな気持ちを胸に安全運転で帰宅。

今日は色々なことがあったが、とても良い一日だったな。

さっそく神社に参拝したご利益があったのかもしれないね。

さ、長かった一日もこれでおしまい。

では、またね。

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