20日の昼頃にバイクに乗って地元を目指して走り出した。
今日は夜に実家で父が釣ってきた魚を家族で食べる予定になっているのだが、せっかくなので少し早めに地元に戻り、バンドのボーカルに会ってから実家に帰ろうという算段である。
以前から計画していたことではなく、当日の朝にボーカルに連絡を入れたのだが、ちょうど暇だったようですぐにOKと返事が来ていた。
地元までは高速道路を使ったのだが、俺の155ccのスクーターでは走りにまったく余裕がなく、左車線ばかりを走りながら目的地を目指した。
一時間半ほど走り、ボーカルの自宅に到着。
どこにバイクを停めようかと迷っているうちにボーカルが家から出てきて車庫へと誘導してくれた。
汗だくの俺を見てボーカルが『ちょいと家で涼んできや』と提案してくれたので、自宅へとお邪魔させてもらった。
ボーカルは祖母と叔母さんと3人で一軒家に住んでいるので、てっきり自分の部屋に案内されるものだと思っていたのだが、案内されたのはリビングであった。
ボーカルの祖母と叔母さんに挨拶をして冷たい飲み物を飲ませてもらった。
叔母さんはそうめんと天ぷらを食べており、非常にうまそうであった。
俺は小学生のころに何度かボーカルの家で遊んだことがあるのだが、その頃から若干間取りが変わったりや家具が少なくなってスッキリしたように感じたが、あの頃と変わらぬ雰囲気は残っており、人の家なのになんとも言えぬ懐かしさのようなものを感じた。
しばらく4人で話をしていたのだが、何となくボーカルの持っている明るさや人柄の良さを祖母や叔母さんからも感じた。
ボーカルの祖母や叔母さんがとても面白い人だったので、俺は調子に乗って失礼なことを沢山言ったような気がするので、ボーカルにはそれとなく謝っておいてもらいたいところだ。
もちろんボーカルにも普通の人なら言わないであろうことを沢山言ったが、そこは信頼の証ということでヨロシクね。
思えばボーカルとは長い付き合いで、出会ってから20年くらい経つんじゃないかな。
これからもよろしく頼むよ。
さて、ボーカルの家で涼ませてもらった後は喫茶店でコーヒーを飲んできた。
↑キャラメルなんとかというのを頼んだのだが、ボーカルに『そんなキモいやつを頼むな』と言われたよ。
ボーカルはアイスコーヒーをブラックで飲んでいた。漢だね。
何だかんだと喫茶店では結構な長話をしていた。
くだらないことから真剣なことまで話せるのがボーカルの良さだね。
俺とは違う面白い視線や考えに触れることができたよ。
良い時間だった。
その後は近くにあった中古バイクの販売店をブラっと見に行ってきた。
ボーカルには乗りたいバイクがあり、その実車を見てきたのだが、デカくてかっこよかった。
↑オフロードバイクでセローという名前だそうだ。
俺も欲を言えばああいうバイクに乗りたいものだよ。
俺が最初に欲しかった原付はオフロードタイプのDT50という原付だったんだよね。
ちなみに俺が次に欲しいと思っているバイクはヤマハのXMAX250というスクーターで、現在のスクーターに感じているパワー不足を解消してくれそうなバイクなのだ。
問題は今のバイクでもその辺をウロウロする分には気軽に乗れるサイズ感で丁度良い塩梅であるということと、結構な値段がするということだ。
堅実的に考えると今のバイクが壊れるまで乗るのがベストなのだが、ボーカルがセローを買って見せびらかしてきたら、羨ましくなって買ってしまうかもしれないな。
その時のためにも今のうちから貯金をしておかないとな。
その後、またボーカルの実家の近くに戻り、俺のスクーターで二人乗りをして近所の閑散とした道路に行き、ボーカルが一人で運転してみたりと、まるで原付スクーターを始めて買った高校生のようなことをしていた。
やっぱり面白いねバイクは。
そのうちレンタルバイクでツーリングをしようと約束をしてボーカルと別れ、実家へと向かった。
15分くらい走り実家へ到着したのだが、父がちょうど買い物へ行っているということだったので、30分ほど近所をノロノロバイクで走ってきた。
疎遠になった友人の家の前を通り、当時のことを思い出したり、耕作放棄地となってしまった畑を見て、なんとも言えぬ気持ちになりながら、また実家へと戻った。
今日は100キロ近くバイクを運転していたのでちょっと疲れたな。
実家では父が魚を捌いており『とりあえずコレを食え』とぶりの刺身を出してくれた。
うまいうまい。釣ってきた魚は鮮度がよくてうまいな。
東京に行っている上の妹も帰ってくる予定だったが、急用で来るのが明日になったことや、下の妹が友達とオールで遊びに行ったことを刺身を食いながら父から聞かされた。
ということは、今日は俺と父の二人で過ごすことになるわけだ。
思い返すと俺と父の二人きりのサシで飯を食うのは数年ぶりだ。
現在の父はただのひょうきんなおじさんだが、俺が実家にいたころはひょうきんでありながらも厳しい父であった。
当時は今考えれば体罰だろと思うようなことを平気でされたが、歳の離れた妹にはそういうことは一切していないようで、やはり男は厳しく育てるといったような概念があったのだろうな。
ま、当時の俺は他のガキとは比べ物にならないほどの手の付けられないようなバカだったので、厳しく育ててくれたことに今となっては感謝している。
バカは厳しく育てるに限るよ。優しく言ってもわからんからね。
甘やかされて育っていたら、今以上にヤベー人間になっていたと思う。
19時半ごろから飯を食いながら二人で酒を飲んでいたのだが、気がつくとあっと言う間に23時になっていた。
近況報告から始まり、仕事の話、友人の話、どうでもいいようなくだらない話を続けているうちに酒が無くなったので近所のコンビニへ。
父が急に走り出したりと良い具合に酔っぱらっていた。
俺も酒が入ったことにより、父に『もうダメだね、このおじさんは』などと調子に乗った発言を繰りかえしていた。
コンビニから戻った後は父から新しい趣味の話を聞いた。
父は最近狩猟免許を取得し、猟銃なんかの所持許可申請をしたそうで、冬の週末は猟に出ると話していた。
驚いたな。スゲーおじさんだ。
父はバイクも乗るし釣りやキャンプにも行くしで、なんとも多趣味だ。
猟の話をしている時に父が『やりたいことはやっておかないと、アッという間に時間は過ぎる』と口にしていた。
他にも色々と父は日々に感じていることを俺に聞かせてくれた。
夜中まで二人で酒を飲み、明日の昼飯は俺の好きなうなぎを食いに行くぞと約束してから寝た。
寝る前にぼんやりと今日のことを思い出しながら、二人で酒を飲めて良かったなと思った。
大勢で楽しく過ごす時間もいいが、今日のように誰かと二人きりで過ごす時間もいいものだな。
そういえば、父にボーカルの欲しがっていたセローというバイクの話をしたのだが『あれは名車だな』と、なにやらうんちくを垂れながら褒めていた。
ちなみに俺の欲しいXMAXというバイクのことを父はずっと間違えてXboxと呼んでいた。
それゲーム機ですやん。
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