今日は友人の茶ゲンマイと柊きふゆ、造園屋のツレと釣りをしに海に行ってきた。
早朝に家を出て釣り場には9時半頃に到着した。
車から降りると磯の匂いがしていて、目の前に海が見えているのに改めて海に来たのだと実感する。
曇り空で特段景色が良かったわけではなかったのだが、釣りを始める前に椅子に座り、茶ゲンマイと海をしばらく眺めて、「海ってデケーな」などと当たり前の事を話したりした。
茶ゲンマイは『座って海を眺めた時点で今日の目的の八割は達成したな』とも言っていた。
俺たちは山育ちなので海に来るたびにその雄大さを感じるんだよね。
その後、俺は根魚狙いのブラクリで穴釣りを、他の三人はルアーを使って投げ釣りを始めた。
投げ釣りは竿を揺らしたりリールを巻いたりして案外動きがあるのだが、俺の穴釣りは適当に釣り針を垂らしているだけなので、のんびりしつつ釣りを楽しむ。
ぼんやりと遠くの船を見たり、波の動きを眺めたり、お菓子を食べたりして時間は過ぎていった。
俺は釣りに対して大した熱意もなく、とてもいい加減なので毎回釣れても2,3匹程度で、釣り針を垂らしてぼんやりしている時間の方が長いのだ。
俺はわりといつでもぼんやりとしていて、そのぼんやりしている時間が好きなので釣りとは相性が良い気がするね。
海へ向かう道中で造園屋と『まだ2月だし、あんまり釣れんだろなぁ』と話をしていたのだが、あんまりどころかなんの釣果もなく昼前を迎え、釣り場を変えることにした。
丁度、時間帯が昼飯時だったので、別の釣り場に向かう道中でラーメン屋に寄った。
そのラーメン屋にはチャーハンや中華飯のセットメニューがあったので、造園屋以外はセットメニューを注文したのだが、想定以上に量が多く、皆の腹がパンパンになった。
セットメニューを頼まなかった造園屋も何故か他の三人よりもラーメンの量が多く食べたあとに苦しそうにしていた。
食後は食いすぎて動けなかったので少し休憩してから、別の釣り場に行き釣り始めたのだが、まったく魚がかかる気配はなかった。
全員が「まぁ、今日は無理だろうな」と思っていたと思う。
あまりにも何も起きないので、柊は釣りをしたまま寝オチしていた。
その後もなんの釣果もないままに時間だけが過ぎていったが、各々がのんびりと釣りを続けていく。
造園屋に『今日は釣れる気配がまったくないなぁ』と話すと『こればっかりは自然が相手だからしょうがないね』と笑っていた。
14時半ごろに雨が軽くパラついてきて、その瞬間に茶ゲンマイが『徹底、徹底』と言い、皆で片付けを始めた。
雨はすぐ上がったが、釣りを続けようと言う者は誰も居なかった。
片付けを終えた後は皆で海を眺めながらコーヒーを飲んだ。
コーヒーは造園屋が湯を沸かし、インスタントのやつを紙コップに入れて飲んだのだが、これがとても美味かった。
皆、美味い美味いと言って飲んでいた。
冬の寒さで冷えた体にコーヒーの温かさが沁みるんだよね。
コーヒーを飲んで海を眺めている時に、造園屋が『これだけでも来た甲斐があったね』と言っていて、俺も確かにそうだなぁと思った。
魚は1匹も釣れなかったけど、良い1日だったと思う。
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